京都 銀閣寺の雪景色

京都の雪景色

銀閣寺の概要

 銀閣寺は京都市左京区にある、京都で最も有名な寺院の一つ。歴史の教科書で金閣寺と共にその名が出てくるので、日本人なら誰もが知っているであろう。1994年には「古都京都の文化財」として世界遺産に登録され、今では京都の定番観光スポットの一つとして多くの観光客が訪れている。

銀閣寺 雪景色

 なお正式名称は東山慈照寺といい、その名のとおり京都盆地の東方に広がる「東山」の麓に位置する。背後には五山送り火で有名な如意ヶ岳(大文字山)がそびえ立っており、境内には山麓らしい自然豊かな雰囲気が漂っている。

銀閣寺の歴史

 銀閣寺は室町時代の1482年に造営された山荘東山殿を起源とする。これは室町8代将軍・足利義政が自身の隠遁生活のために建てたもので、義政の死後臨済宗の寺院に改められた。

銀閣寺 雪景色

 その後、銀閣寺は戦国時代における相次ぐ混乱により荒廃したが、江戸時代に入り1615年に大改修がなされたことで現況の境内の形に復興された。ちなみに「銀閣寺」という名称は、金閣寺と対比して江戸時代から呼称されるようになったと言われている。

銀閣寺の雪景色と見どころ

 優美で華やかな北山文化を象徴する金閣寺とは対象的に、侘び寂びを特徴とする東山文化を元にした銀閣寺は一見すると簡素で殺風景な印象を受ける。ところが銀閣寺に雪が降ると、そこにはまるで水墨画の世界に入り込んだかのような幻想的な空間が広がっている。義政の追い求めた「侘び寂び」の世界観は雪化粧した銀閣寺でこそ最も理解することができるだろう。

雪の銀閣寺 庭園

 銀閣寺の境内は決して広くはないが、下記に記すように多数の見どころが存在して散策を楽しむことができる。ただし、普段は開放されている展望台は積雪が多いと閉鎖される。

観音殿(銀閣)

雪の銀閣寺 銀閣

 銀閣寺を最も象徴する建物で国宝指定。義政の祖父で室町3代将軍の義満が残した舎利殿(金閣)にならって建立されたとされる。壁一面に金箔が貼られた金閣と違って銀閣に銀箔は貼られていないが、そのモノトーンな佇まいは雪化粧した瞬間こそが最もよく似合う。

雪の銀閣寺 銀閣

 銀閣寺の入口入ってすぐのところに位置している銀閣は、回遊式庭園となっている境内のどこからでも見ることができる。銀沙灘を間に挟んだり池の対岸から望むなど、様々な角度から銀閣の姿を楽しめる。

雪の銀閣寺 銀閣 鳳凰

 屋根の上には鳳凰の像が立っており、如意ヶ岳(大文字山)がそびえ立つ東方に向かって屹立している。

銀沙灘と向月台

雪の銀閣寺 銀沙灘と向月台

 銀閣と本堂の間には白砂で波紋を表現した銀沙灘(ぎんしゃだん)と円錐台の形をした向月台(こうげつだい)が見事に整備されている。京都に名庭園は数あれど、ここまで独創的な発想を持つ庭園は銀閣寺を置いて他にないだろう。

 ここに雪が積もって真っ白に雪化粧した光景もまたとりわけ美しい。ただあまりに雪が積もると銀沙灘の波紋の形状が分からなくなってしまうので、程々に積雪した状態が良いと思われる。

方丈(本堂)

雪の銀閣寺 方丈

 境内北側に建つ大きな建物で江戸中期の建造。本尊である釈迦牟尼仏はこの建物の中に安置されている。

 普段はここの縁側から銀沙灘と向月台、そして銀閣が重なる風景をゆったりと眺めることができるが、雪が積もる極寒の中ではあまりゆっくりできないかもしれない。

東求堂

冬の銀閣寺 東求堂

 方丈の隣に建ち、銀閣と共に国宝指定されている貴重な建物。義政の持仏堂であり、堂内は現存する最古の書院造り様式となっている。

如意ヶ岳(大文字山)

雪の銀閣寺 銀閣と如意ヶ岳

 銀閣寺の東に迫り来るようにそびえ立っているのが、裏山に当たる如意ヶ岳(大文字山)。普段は銀閣寺の自然豊かさを強調する背景となっているが、この山の斜面が雪化粧すると境内一帯がまるで水墨画の世界に包まれたかのような錯覚を引き起こす。庭園出口付近からは、如意ヶ岳をバックにした銀閣の壮観な雪景色を最後に見ることができる。

銀閣寺で雪景色を見るには

銀閣寺 雪景色

 銀閣寺は京都市街中心部から少し外れたところにあるとはいえ、一帯が積雪するには年に1〜2回のレベルの強烈な寒波が京都市街を襲う必要がある。時期的には1月中旬〜2月半ばにかけてが最も可能性が高いが、具体的にいつ積もるかどうかは日々の天気予報をこまめに確認する必要がある。また例え積雪しても昼頃には雪が溶け出すので、訪れるのであれば午前中の間に済ませた方がよい。

 なお、京都市観光協会より銀閣寺のすぐ近くにある哲学の道のライブカメラがYouTube上にアップされているので、おおよその積雪の有無はそちらで随時確認できる。

銀閣寺周辺の雪スポット

哲学の道 雪景色

 銀閣寺が雪化粧した際は、その周辺のスポットでも雪景色が見られる可能性が十分にある。中でも桜の名所として知られる哲学の道(上画像)は銀閣寺への道中必ず通ることになるので、雪化粧した桜並木の絶景を併せて楽しむことができる。ほか真如堂や金戒光明寺、平安神宮、南禅寺、蹴上インクライン、永観堂禅林寺など周辺には見どころがたくさん存在するが、昼頃には雪が溶け出すことを考えると全て回るのは不可能に近い。

銀閣寺の参拝時間と参拝料

【参拝時間(冬季:12月1日~2月末日)】9:00~16:30(下山は16:50まで)

【参拝料】大人500円、小中学生300円

【参拝所要時間】約30分

銀閣寺へのアクセス

①JR「京都駅」より市バス(100系統)に乗車し「銀閣寺前」バス停下車徒歩約3分or市バス(17・5系統)に乗車し「銀閣寺道」バス停下車徒歩約7分
②地下鉄烏丸線「丸太町駅」より市バス(204系統)に乗車し「銀閣寺道」バス停下車徒歩約7分
③地下鉄烏丸線「今出川町駅」より市バス(203・102系統)に乗車し「銀閣寺道」バス停下車徒歩約7分
④四条河原町から市バス(17・5系統)に乗車し「銀閣寺道」バス停下車徒歩約7分or市バス(32系統)に乗車し「銀閣寺前」バス停下車徒歩約3分

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