北野天満宮の概要
京都市上京区にある北野天満宮は、全国に約1万2千ある天満宮・天満社の総本社。学問の神様で知られる菅原道真を御祭神として祀っており、学業成就のご利益があるとして受験生をはじめ多くの参拝客が訪れている。
境内には国宝に指定されている御本殿や北野天神縁起絵巻をはじめとした多数の文化財が保存されており、また梅や紅葉の名所でもある。京都を代表する神社の一つとして観光客からの人気も高い。
史跡御土居の概要
北野天満宮の境内西側には、南北に流れる紙屋川の小川に沿って「御土居(おどい)」と呼ばれる散策道が整備されている。御土居とは元々、豊臣秀吉が京都の街の治水対策の一環として築き上げた土塁のことで、洛中洛外の境界上に張り巡らすように設置された。御土居は江戸時代にかけてその多くが取り壊されたが、北野天満宮のものは今も一部が残り史跡として保存されている。
御土居の紅葉ライトアップ
現在の御土居は一帯に約350本ものモミジの木が植えられており、青もみじと紅葉の見頃時期に合わせて年に2回「もみじ宛」として公開が行われている。中でも紅葉時期の御土居は京都有数の紅葉名所として非常によく知られており、見頃時期になれば色鮮やかなモミジの紅葉が散策路全体を包み込み、一帯には錦繍の絶景空間が広がる。
また紅葉時期の御土居は夜間ライトアップも毎年行われており、京都でも人気の紅葉ライトアップスポットの一つとして日没後も多くの観光客が訪れる。ライトに照らされ闇夜に浮かび上がったモミジの紅葉風景はまさしく壮観の一言で、日中とはまた違った幻想的な空間を味わうことができる。
御土居最大の見どころ・鶯橋
モミジの絶景が広がる御土居の中でも最も印象的な地点が、紙屋川に架かる朱色の小さな太鼓橋。名を鶯橋と言い、ライトアップの時間になると鶯橋とその上を覆い尽くすモミジの紅葉が闇夜に美しく浮かび上がる。その光景を見た誰もが目を奪われる北野天満宮最大のハイライトであり、数ある京都の紅葉風景の中でも有数の絶景ポイントとなっている。
紅葉ライトアップ期間と見頃時期
【ライトアップ期間】例年11月中旬〜12月上旬頃
※具体的な日程は毎年変わるので北野天満宮のホームページを確認してください
※もみじ宛自体は例年10月下旬頃から公開されています
【見頃時期】例年11月中旬〜12月上旬頃
※その年の気候状況により時期は前後します
※夜間ライトアップ中はライトアップの照明効果により見頃前(3〜4分咲きぐらい)であっても十分楽しめます
紅葉ライトアップ時間と入苑料
【ライトアップ時間】日没~20時(受付終了19時40分)
※昼夜入替制ではないのでライトアップ開始後も退宛せずに引き続き鑑賞できる
【入苑料】大人(中学生以上)1000円、小人(小学生以下)500円
※お茶・お菓子付き ※北野天満宮自体は入場無料
紅葉ピーク時の混雑状況
京都の紅葉スポットで心配されるのが混雑状況。夜間ライトアップに関して言えば清水寺や永観堂禅林寺などは想像を絶する混み具合となるが、北野天満宮の御土居はそこまで混雑することはなく、紅葉ピーク時であっても比較的ゆったりと紅葉を鑑賞できる。平日ならより人も少なくなるので、仕事帰りや学校終わりに立ち寄るのもいい。
ただし、御土居最大の見どころである鶯橋には人が集中するので、全く人がいない鶯橋を撮影するにはある程度の時間根気強く待つ必要がある。
北野天満宮へのアクセス
①JR「京都駅」より市バス(50系統)に乗車し「北野天満宮前」バス停下車徒歩約1分
②JR山陰本線or地下鉄東西線「二条駅」より市バス(55系統)に乗車し「北野天満宮前」バス停下車徒歩約1分
③JR山陰本線「円町駅」より市バス(203系統)に乗車し「北野天満宮前」バス停下車徒歩約1分
④阪急京都本線「西院駅」より市バス(203系統)に乗車し「北野天満宮前」バス停下車徒歩約1分
⑤阪急京都本線「大宮駅」より市バス(55系統)に乗車し「北野天満宮前」バス停下車徒歩約1分
⑥京阪本線「三条駅」より市バス(10系統)に乗車し「北野天満宮前」バス停下車徒歩約1分
⑦京阪本線「出町柳駅」より市バス(203系統)に乗車し「北野天満宮前」バス停下車徒歩約1分
⑧地下鉄烏丸線「今出川駅」より市バス(51・203系統)に乗車し「北野天満宮前」バス停下車徒歩約1分
⑨嵐電京福北野線「北野白梅町駅」より徒歩約5分
北野天満宮周辺の紅葉名所
北野天満宮の最寄り鉄道路線である嵐電京福北野線の沿線には仁和寺や龍安寺、等持院、妙心寺といった格式あるお寺が点在しており、またいずれも紅葉の名所でもある。中でも仁和寺は北野天満宮と同じく紅葉ライトアップ(上画像)が開催されているので、タイミングが合えば北野天満宮と併せて訪問するのもいいだろう。
北野天満宮 その他の季節
史跡御土居は初夏の青もみじの季節も美しく、新緑が芽吹く頃になると再び「もみじ宛」として公開される(2023年からは紅葉時期と同様に夜間ライトアップ(上画像)も行われるようになった)。期間中は紅葉の時と比べると人出も少ないので、落ち着いた雰囲気の中青もみじを鑑賞できる。
また北野天満宮は京都屈指の梅の名所でもあり、見頃時期には梅苑「花の庭」が公開され、夜間ライトアップも行われる。見頃のピークとなる2月25日には「梅花祭」の催しが毎年盛大に執り行われている。