京都 真如堂の雪景色

京都の雪景色

真如堂の概要

 真如堂は京都市左京区にあるお寺で、正式名称は「鈴聲山真正極楽寺(れいしょうざんしんしょうごくらくじ)」と言う。宗派は天台宗で、本山である延暦寺から見て南西の比叡山麓に境内を構えている。

雪の真如堂 三重塔

 周辺には金戒光明寺や平安神宮といった大規模な神社仏閣が集中しているためあまり目立たない存在だが、広大な境内には重要文化財指定の本堂や三重塔、涅槃の庭といった見どころが多数存在する。また本尊である阿弥陀如来立像や真如堂縁起をはじめとした貴重な文化財も多く所蔵しており、洛東の穴場的スポットとして親しまれている。

真如堂の歴史

雪の真如堂 境内

 真如堂は984年に戒算上人によって開創された。御本尊となった阿弥陀如来立像は「うなずきの弥陀」とも呼ばれ、特に女性を救済する仏として女性からの信仰を多く集めた。

 境内は15世紀後半に勃発した応仁の乱により一時荒廃し、その後も所在地を転々としたが、17世紀末に現在の地に戻された。本堂を始めとするほとんどの伽藍は江戸時代中期に再建されたもので、現在に至っている。

真如堂の雪景色

雪の真如堂 境内

 真如堂は秋の紅葉で特に有名なお寺だが、冬の時期は境内の至る所に植えられているモミジの木もすっかり落葉してしまい、一帯には物寂しい雰囲気が漂う。ところが、雪が積もると境内の景色は一変。本堂や三重塔、そしてモミジの木々が雪化粧した光景は秋の紅葉と同じくらい素晴らしく、思わず目を奪われるような白銀の世界が境内に広がる。

雪の真如堂 参道

 正門である総門を抜けると、本堂へと続く参道が東西に延びている。緩やかな階段の両脇にはモミジの木が立ち並んでおり、晩秋の時期には鮮やかに色づいたモミジの紅葉が参道を赤一色に包み込むが、モミジの木々が雪化粧し一面が白色に染められた光景もまた殊更に美しい。

雪の真如堂 本堂

 参道の先に建つ本堂は、境内の中でも一際大きな建物で重要文化財指定。本来の名称は「真如堂」と言い、これがそのまま寺全体の通称として定着した。紅葉シーズンはこの辺りは多くの観光客で賑わうが、雪が降り積もった日は人出もまばらで静寂の空間が漂っている。

雪の真如堂 三重塔

 本堂向かって右手前にそびえ立つ三重塔は、真如堂を最も象徴する建物で高さ約30m。真如堂と言えばこの三重塔と紅葉を重ね合わせた光景が最も有名だが、白銀世界の中に佇む三重塔の光景もまた素晴らしく、冬の時期における真如堂最大のハイライトとなっている。

真如堂で雪景色を見るには

雪の真如堂 三重塔

 真如堂は京都市街中心部から少し外れたところにあるとはいえ、一帯が積雪するには年に1〜2回のレベルの強烈な寒波が京都市街を襲う必要がある。時期的には1月中旬〜2月半ばにかけてが最も可能性が高いが、具体的にいつ積もるかどうかは日々の天気予報をこまめに確認する必要がある。また例え積雪しても昼頃には雪が溶け出すので、訪れるのであれば午前中の間に済ませた方がよい。

 なお、京都市観光協会より真如堂の近くにある哲学の道のライブカメラがYouTube上にアップされているので、おおよその積雪の有無はそちらで随時確認できる。

真如堂周辺の雪スポット

雪の銀閣寺 銀沙灘と向月台

 真如堂が雪化粧した際は、その周辺のスポットでも雪景色を見られる可能性が十分にある。中でも有名なのは北東方面にある銀閣寺(上画像)で、真如堂の東に延びている哲学の道を北上するとたどり着く。ほか、南へ歩けば金戒光明寺や平安神宮、南東方向に向かえば南禅寺や蹴上インクライン、永観堂禅林寺と周辺には見どころがたくさん存在するが、昼頃には雪が溶け出すことを考えると全て回るのは不可能に近い。

真如堂の拝観時間と拝観料

【拝観時間】9:00〜16:00(受付15:45まで)

【拝観料】大人500円、中学生400円、小学生以下無料
※本堂の仏間から先以外は無料で散策できる

真如堂へのアクセス

①JR「京都駅」より市バス(5・17・100系統)に乗車し「錦林車庫前」バス停下車徒歩約8分
②阪急京都本線「四条河原町駅」より市バス(5・17系統)に乗車し「錦林車庫前」バス停下車徒歩約8分
③京阪本線「祇園四条駅」より市バス(203系統)に乗車し「錦林車庫前」バス停下車徒歩約8分
④京阪本線「三条駅」より市バス(5系統)に乗車し「錦林車庫前」バス停下車徒歩約8分
⑤京阪本線「出町柳駅」より市バス(17・102・203系統)に乗車し「錦林車庫前」バス停下車徒歩約8分
⑥地下鉄烏丸線「丸太町駅」より市バス(93・204系統)に乗車し「錦林車庫前」バス停下車徒歩約8分

真如堂 その他の季節

真如堂の紅葉 三重塔

 真如堂は洛東有数の紅葉名所(上画像)としてよく知られている。見頃時期には三重塔と紅葉が重なった光景など、一帯には何とも秋の京都らしい風景が広がる。また桜に関しては紅葉ほどの規模ではないが、本堂や三重塔周辺を中心にソメイヨシノや八重桜などが静かに花を咲かせる。続いて初夏〜梅雨の季節は青もみじやアジサイが美しい。このように真如堂は四季折々の風景を見せてくれるお寺でもある。

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