京都 哲学の道の桜

京都の桜名所

哲学の道の概要

哲学の道 桜

 哲学の道は京都市左京区にある、銀閣寺と熊野若王子神社の間を結ぶ約1.5kmに渡る散歩道。道沿いには琵琶湖から水を引いた琵琶湖疏水が流れ、その風情ある景色から近隣住民だけでなく観光客からの人気も高い。「日本の道百選」にも選ばれている。

哲学の道 桜

 なお「哲学の道」という名称は、京大の哲学者であった西田幾多郎がよくこの小径を歩いて思想に耽っていたことに由来する。

哲学の道の桜

哲学の道 桜

 哲学の道には400本以上もの桜の木が道沿いに植えられており、京都でも有数の桜名所としてよく知られている。これらの桜は大正時代の京都の画家・橋本関雪とその夫人が京都市に寄贈したもので、そのような経緯から哲学の道の桜は通称「関雪桜」と呼ばれている。(品種自体はソメイヨシノが主。)

哲学の道 桜

 関雪桜による桜並木は南は熊野若王子神社から北は銀閣寺、さらにはその先の銀閣寺橋以北に至るまで延々と続いている。見頃になれば咲き誇った関雪桜が風情ある散歩道を包み込み、一帯はいかにも春といった感じの和やかな風景が広がる。

哲学の道のオススメ桜ポイント

哲学の道の桜 銀閣寺西橋

 哲学の道は京都の桜名所にしてはかなり範囲が広く、初めて来た人にはどの辺を歩けばいいのか分からなくなってしまうだろう。一般的に知られている光景は哲学の道の中でも北側(銀閣寺方面)にあり、特に銀閣寺西橋以降の道のりが最も有名。ここは道が一直線に延びておりかつ桜の咲き具合も良いので、とても印象的な桜の回廊が形成される場所となっている。

哲学の道の桜 銀閣寺西橋 銀閣寺橋

 また銀閣寺へと続く参道の起点に架かる銀閣寺橋も、銀閣寺への道中にあることから多くの人が目にする光景。こちらは琵琶湖疏水が絶妙なカーブを描くことによってまた印象的な桜風景となっている。

晩春の絶景・桜の花筏

 哲学の道の魅力は満開の桜並木だけでなく、散り際に見せてくれるもう一つの感動的な光景にある。それがいわゆる「花筏」という現象で、散った桜の花びらが琵琶湖疏水上に敷き詰められることによってできる。哲学の道では上で紹介した銀閣寺西橋以北の暗渠の手前にて例年発生する。

 緩やかに流れる琵琶湖疏水が一面ピンク色に覆われた光景はまさしく絶景と言う他なく、数ある京都の桜名所の中でも最大のハイライトの一つとなっている。なお京都では他にも花筏ができる場所は幾つかあるが、最も規模が大きくかつ期間が長く見られるのはこの哲学の道となっている。

 ただし、2023年に関しては哲学の道で桜の花筏は見られなかった。これは桜吹雪前に降った大雨により琵琶湖疏水の水量が増加したことで、本来敷き詰められるはずの桜の花びらが暗渠へ流されてしまったからだと考えられている。このように花筏は必ずしも毎年見られるわけではない貴重な光景だが、当たり年であれば推定50m程の規模の花筏を見られることもある。

哲学の道の桜の見頃時期

哲学の道の桜

例年3月下旬~4月上旬
※その年の気候状況により時期は前後します
※桜の花筏は満開を過ぎてから数日後に発生します

桜ピーク時の混雑状況

哲学の道 桜

 京都の桜スポットで心配されるのが混雑状況。哲学の道に関しては風情ある散歩道であるのが大きな魅力の一つなので、あまりにも観光客が多い光景と言うのは考えもの。現実は最も人が多く集まる銀閣寺西橋周辺はそれなりに混雑するので、なるべく朝早い時間帯に訪れるのがいい。(ただし、あまりにも早い時間だと太陽の陽が差さない可能性があることに注意。哲学の道の東側は「東山」と言う小高い山々に覆われているので、太陽の陽が差すまで多少の時間がかかる。)とはいえ、哲学の道は範囲が広く南側の方へ行けばそれほど人もいないので、時間があれば南の方まで散策するのもいいだろう。

哲学の道へのアクセス

【北側(銀閣寺方面)】
①JR「京都駅」より市バス(100系統)に乗車し「銀閣寺前」バス停下車徒歩約1分or市バス(17・5系統)に乗車し「銀閣寺道」バス停下車徒歩約1分
②地下鉄烏丸線「丸太町駅」より市バス(204系統)に乗車し「銀閣寺道」バス停下車徒歩約1分
③地下鉄烏丸線「今出川駅」より市バス(203・102系統)に乗車し「銀閣寺道」バス停下車徒歩約1分
④四条河原町から市バス(17・5系統)に乗車し「銀閣寺道」バス停下車徒歩約1分or市バス(32系統)に乗車し「銀閣寺前」バス停下車徒歩約1分

【南側(南禅寺方面)】
①JR「京都駅」より市バス(5系統)に乗車し「南禅寺永観堂前」バス停下車徒歩約10分or市バス(100系統)に乗車し「宮の前町」バス停下車徒歩約5分or市バス(93系統)に乗車し「東天王町」バス停下車徒歩約7分
②地下鉄烏丸線「丸太町駅」より市バス(204・93系統)に乗車し「東天王町」バス停下車徒歩約7分
③地下鉄東西線「蹴上駅」下車徒歩約15分
④四条河原町より市バス(32系統)に乗車し「宮の前町」バス停下車徒歩約5分or市バス(203系統)「東天王町」バス停下車徒歩約7分

哲学の道周辺の桜名所

 哲学の道の南側の最寄り駅・蹴上駅のすぐ近くにある蹴上インクラインは、京都で最も人気があると言っても過言ではない桜名所。インクラインというかつて存在した傾斜鉄道の廃線跡地に桜並木が続いている場所で、とてもフォトジェニックなスポットとして世界的に評判を呼んでいる。ほか南禅寺や真如堂、金戒光明寺なども哲学の道から徒歩圏内の桜名所。また平安神宮の紅枝垂れ桜は遅咲きの桜なので、桜の花筏のタイミングと合わせて訪れるといいだろう。

哲学の道 その他の季節

哲学の道 雪景色

 哲学の道は桜だけでなく初夏の新緑や秋の紅葉などでも風情ある景色が見られ、散策者の目を楽しませてくれる。また冬の時期は稀に雪景色(上画像)が見られることもあり、桜並木が雪化粧した暁には桜のピーク時と同じくらい感動的な光景が通り沿いに延々と続く。

タイトルとURLをコピーしました