京都 祇園白川の桜

京都の桜名所

祇園白川の概要

祇園白川 桜

 祇園と言えば京都市東山区に広がる京都を最も代表する花街のことで、その範囲は東は八坂神社、西は鴨川、南は建仁寺、北は新橋通りにまで及ぶ。そのうち新橋通りとその南側を流れる白川に面する地域のことを祇園白川と呼ぶ。

 石畳の道のりが続く通り沿いには芸姑・舞妓さんが通う茶屋や料亭が建ち並んでおり、その街並みは非常に古風で美しく、京都の中でも特に京都らしい情緒を味わえるスポットとなっている。なお、新橋通りを中心とした祇園新橋一帯については国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。

祇園白川の桜

祇園白川 白川南通りの桜

 祇園白川のうち白川沿いに延びる白川南通りには、ソメイヨシノや枝垂れ桜など約40本の桜の木が植えられている。見頃時期になれば咲き誇る桜の花や柳の若葉が町家の景観に溶け込み、情緒ある街並みがより一層華やかな雰囲気に包まれる。

祇園白川 巽橋 桜

 京都に桜名所は数あれど、春の京都と言われて多くの人が想像するような古風な街並みと桜が見られる空間がここ祇園白川と言えるだろう。今では京都を最も代表する桜名所の一つであり、その余りにも風情ある光景から多くの観光客を惹きつけている。

祇園白川の桜見どころ

白川南通り(大和橋以西)

祇園白川 白川南通りの桜

 白川南通りは東西に約300m延びる道のりで、その途中には大和大路通りが横断し、また白川上には大和橋という小橋が架かっている。この大和橋より西側には背丈の高い桜の木々が立ち並んでおり、見頃時期には非常に印象深い桜並木が形成される。

祇園白川 白川南通りの桜

 通りの隅にはベンチと共に赤い和傘のモニュメントも設置されており、それがまた素晴らしいアクセントとなって機能している。なおこの桜並木は鴨川沿いを走る川端通りまで続いており、京都最大の繁華街・四条河原町からは徒歩圏内の距離にある。

白川南通り(大和橋以東)

祇園白川 白川南通りの桜

 白川南通りのうち大和橋より東側、八坂神社方面は白川の小川に沿って石畳の道のりが続く。その両側には桜や頭を垂れる柳、古い町家などが立ち並び、その景観はとても京都らしい情緒に満ち溢れている。道幅も広々としているので、歩いていてとても開放的な気分に浸れる場所。

祇園白川 料亭と桜

 加えて白川の向こう岸には高級料亭が軒を連ねており、対岸から窓を通して中の様子を垣間見ることもできる。これぞまさしく他では見られない祇園白川ならではの景観で、桜の花が彩りを添えた光景はこの上なく風情がある。

巽橋

祇園白川 巽橋 桜

 白川南通りは最終的に北側を走る新橋通りと合流するが、その手前に路地裏へと続く「切通し」という細道に分岐する地点がある。この分岐点には「巽橋(たつみばし)」という小さな橋が白川上に架かっており、その趣深い景観が祇園白川の中でも最も絵になるポイントとして、映画やドラマの撮影などでもよく使用されている。

祇園白川 巽橋 桜

 そしてこの巽橋周辺は桜の咲き具合が非常に良く、満開になった桜が巽橋の上空を覆い尽くした光景は非常に壮観。また橋の上から見える白川や桜、柳、高級料亭の眺めも素晴らしく、狭い範囲ながらとにかく味わい深い景色を堪能できる空間となっている。

辰巳大明神

祇園白川 辰巳大明神と桜

 巽橋のすぐ隣、新橋通りと白川南通りが合流する三叉路の角のところには「辰巳大明神」という小さな神社が佇んでいる。その名は京都御所から見て南東(=辰巳)に位置することに由来し、元々は南東の方角を守護する神として崇められていた。

祇園白川 辰巳大明神と桜

 また今日では芸事上達にご利益があるとして、祇園界隈の芸姑や舞妓からも篤く信仰を集めている。そしてこの辰巳大明神のすぐ側にも桜の花が咲き誇り、巽橋と共に多くの観光客で賑わうポイントとなっている。

祇園白川の桜見頃時期

祇園白川 大和橋 桜

例年3月下旬~4月上旬
※その年の気候状況により時期は前後します

桜ピーク時の混雑状況

祇園白川 巽橋 桜

 京都の桜スポットで心配されるのが混雑状況。祇園白川に関しては京都でも有数の桜名所の一つであり、かつ四条河原町や京都一の人気観光エリア・東山から徒歩圏内という好立地条件もあって非常に多くの観光客が押し寄せる。特に最大のハイライトである巽橋周辺の混雑度合いは凄まじく、人がいない状況を狙いたいのであればとにかく早朝に訪れるしかない。

 とはいえ、巽橋周辺以外は特段人が集中することはなく、また白川南通りの道幅も広いので全体としてはそこまで混雑することはない。中でも白川沿いの桜を対岸の料亭をバックにして映す構図は、通行人が映り込む心配がないので個人的に狙い目。

祇園白川の桜ライトアップ

 祇園白川では毎年桜の開花時期に合わせて夜間ライトアップも行われている。午後6時になると川端通りから巽橋までの道のりが明かりに照らされ、闇夜に浮かび上がった夜桜の幻想的な景色を楽しむことができる。また白川沿いの高級料亭が営業している様子も垣間見ることができるなど、一帯は日中の時以上に情緒に溢れている。都でも屈指の夜桜スポットとして日没後も多くの観光客で賑わう。

祇園白川へのアクセス

①京阪本線「祇園四条駅」下車徒歩約5分
②阪急京都線「京都河原町駅」下車徒歩約8分
③地下鉄東西線「三条京阪駅」下車徒歩約7分
④「祇園」バス停下車徒歩約5分

祇園白川周辺の桜名所

高瀬川 桜

 祇園白川の西に流れる鴨川と高瀬川(上画像)は桜の名所であると同時に京都有数の桜の穴場名所でもある。鴨川はとにかく河川敷が広大で、また高瀬川も桜並木の範囲がかなり広いため、場所さえ選べば落ち着いて桜鑑賞を楽しめるスポットとなっている。

清水寺 桜と三重塔

 一方で反対の東側には「祇園」という名の由来となった八坂神社が境内を構えており、その後方には円山公園を筆頭に知恩院、高台寺、清水寺(上画像)といった名だたる桜名所が集中する京都一の人気観光エリア・東山が広がっている。

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