吉祥寺の概要
大阪市天王寺区にある吉祥寺(きっしょうじ)は1630年創建の曹洞宗の寺院。大阪における赤穂藩浅野家の菩提寺であり、かの有名な赤穂事件によって切腹となった義士達の冥福を祈る墓が境内に建っている。
その墓は四十七義士のうち唯一足軽の身分で切腹を免れた寺坂吉右衛門の依頼により、東京にある泉岳寺よりも先駆けて建てられたものと伝えられている。また境内には他にも大石内蔵助や四十七義士の石像があるなど、赤穂義士に縁の深い「義士の寺」として親しまれている。
吉祥寺の桜
吉祥寺の境内は大阪市内を南北に延びる丘陵地・上町台地に位置し、またその周囲はとりわけ多くの寺院が密集している地域でもある。ただし、そのうち観光名所として有名な大規模な寺院は四天王寺ぐらいで、吉祥寺を含む大多数は地域に根ざした小規模なお寺としてひっそりと佇んでいる。
そんな吉祥寺が人目を引くようになるのが春の桜の季節。見頃の時期になると境内に植えられている桜が塀を越えて溢れ出すように咲き誇り、その様子は目の前を走る幹線道路・谷町筋を通っていても非常によく目立つ。
境内に入ると敷地の全体的に桜が見られるが、中でも特に咲き具合が良いのが境内の隅に建つ四十七義士の墓の辺り。長い日本の歴史において「忠臣」と評された男たちのことを今も称えるように、素晴らしい桜の花が墓碑の周囲に咲き乱れる。
桜見頃時期・開門時間・料金
【枝見頃時期】例年3月下旬〜4月上旬頃
※その年の気候状況により時期は前後します
【開門時間】9:00〜16:30
【料金】無料
吉祥寺へのアクセス
大阪メトロ谷町線「四天王寺前夕陽ヶ丘駅」下車徒歩約3分
吉祥寺周辺の桜名所
吉祥寺から歩いて10分弱の所には大阪を代表する寺院・四天王寺が境内を構えている。四天王寺は聖徳太子が建立したと伝わる日本最古の官寺で、広い境内には多数の桜が見られる。
また吉祥寺の正面、谷町筋の向こう側は上町台地の西側斜面に当たり、急峻な下り坂が難波方面へと続いている。そのうち石畳で出来た風情ある7つの坂道のことを「天王寺七坂(上画像)」と総称し、その全ての坂で桜を見ることができる。