オランダ ギートホールン (Giethoorn, The Netherlands)

ベネルクスの名所

ギートホールンの概要

 ギートホールン(Giethoorn)はオランダ北東部・オーファーアイセル州(Overijssel)にある小さな村。一帯は湖や河川、運河が多く見られる水資源が豊富な地域で、中でも村の住民が住む居住区域には至る所に水路が張り巡らされている。その独特な景観が「オランダのヴェネツィア」であると大きな評判を呼んでいる。

ギートホールン

 運河と言えばオランダの典型的な街並みを構成する要素であるが、ギートホールンの場合は車道というものが存在せず、その代わりの交通手段として運河が流れている。地域住民は車ではなく小舟を利用して村内を移動し、また観光客の多くも電動ボートをレンタルして自由気ままにこの小さな水郷の里を巡る。

ギートホールン

 水路沿いに目を向ければ非常によく手入れされた茅葺屋根の家々が建ち並んでおり、その光景はいかにもヨーロッパの田舎らしくのどかで美しい。まるでおとぎ話のような世界観を今も残すギートホールンは、今ではオランダを代表する観光名所として知られており、加えてオランダ人が住みたい憧れの村の一つにもなっている。

ギートホールンの楽しみ方

ギートホールンの場所

 ギートホールンは日本ではあまりメジャーなスポットではないのか、ネットで調べても日本語で書かれた詳しい情報があまりヒットしない。まずギートホールンの具体的な場所についてであるが、Googlemapで「ギートホールン」と検索すると下図の赤線で囲んだ範囲が出てくる。

ギートホールン 地図

 しかしながら、多くの人が想起する「水路に多くのボートが行き交い、また茅葺屋根の家々が連なる」ギートホールンは図の青線で示した範囲にて広がっている。ただ最寄りバス停の周辺には一見そのような光景は見られず、また観光案内板も設置されていないため、初めて来た人は恐らく困惑するのではないかと思う。(バス停の目の前に大きな川が流れており、その向こう側がギートホールンかと思ってしまいそうだが、実際は広大な国立公園が広がっているだけなので注意。)道路を挟んだ先の図で示した所に観光案内所やボート・自転車をレンタルできる店が並んでいるので、まずはそちらに向かおう。

電動ボートをレンタル

 ギートホールンにおける最もポピュラーな楽しみ方と言えば、電動ボートをレンタルして自由気ままに運河を巡ることだろう。可愛らしい家々が織り成すメルヘンチックな風景を眺めながら、小舟に揺られてリラックスするのはまさしく至高のひとときに違いない。

ギートホールン

 なお、ボートを運転するのに船舶免許等の資格は必要ない。例え運転が上手くいかずボートを岸にぶつけたりしたとしても、水路幅が狭くまた混雑しているギートホールンでは頻繁に見られる光景なので、誰も気にもとめておらず、とても穏やかな雰囲気が漂っている。(ただし、レンタル時に受ける英語の説明を理解できる位の英語力は必要かと思われる)。

ギートホールン

 料金については乗船する人数等によって大分差があるが、ウェブサイトによると2023年時点での最安はオンラインにて4人用ボートを1.5時間レンタルで€39.50(1€=150円として約6,000円)。オンラインよりも現地でレンタルする方が割高となること、また繁忙期は予約で一杯になる可能性もあることから、事前にネットで予約することが推奨されている。また1.5時間という時間設定は村内を一周するのに十分足りるとされているが、途中舟を泊めて寄り道等する時間はないとされる(より広範囲を回りたければ長時間レンタルできるプランもある)。

運河クルーズ

ギートホールン

 少人数による旅行である場合やガイドによる解説を聞きたい際は、運河クルーズを利用するのもオススメ。金額は2023年時点で1時間のクルーズで€10〜(1€=150円として約1,500円)。一人からでも乗船でき、また運転する必要もないのでお気楽にギートホールンの船旅を堪能できる。

自転車をレンタル

 ギートホールンは運河沿いに歩道が整備されているので、舟を利用せずとも村内を散策することは可能。またボートだけでなく自転車をレンタルすることもできるので、運河沿いを巡るだけでなくさらに足を伸ばして周辺の国立公園等まで気軽に行けるようにもなる。(筆者はこの手法で実際にギートホールンを散策した。)

ギートホールン

 料金は2023年時点で3時間レンタルで€10、一日レンタルで€15(1€=150円として約1,500円と約2,300円)。なおクレジットカードは使用可能が、デポジットとして現金€50を要求されたので注意。またその他の注意点として、

①ブレーキがハンドル側にあるのではなく、ペダルを逆回転させることで止まるフットブレーキ式である(慣れるまでに結構時間がかかる)
②ギートホールンには約180もの橋が架かっており、橋を通過する度に自転車を乗り降りする必要がある
③サドルが硬いため、長時間乗っているとお尻が痛くなる

ギートホールン

 個人的には写真を撮るために都度自転車を止めるのが結構大変だったので、写真目的や多少散策する程度であれば次に紹介する徒歩でも十分ではないかと思う。

徒歩で散策

 最もお気軽にギートホールンの町を散策したいのであれば、徒歩で回るのが一番良い。対岸に連なる茅葺屋根の家々や流れ行く運河の風景を眺めながらのんびり歩くだけでも、十分ギートホールンの雰囲気を満喫できる。

ギートホールン

 また歩道沿いにはレストランやカフェが営業しているので、ギートホールンの美しい景色を見ながらランチするのも一興。ただギートホールンは範囲が広大なので、あまり奥の方まで行き過ぎると帰りが大変になるので注意。

ギートホールンの営業時間と料金

【営業時間】散策自由
※ボートや自転車のレンタルの営業時間はシーズンにより異なる
・09:00〜18:00(7〜8月)
・09:00〜21:00(4〜6月)
・10:00〜16:00(オフシーズン)

【料金】無料
※ボートや自転車のレンタル、運河クルーズを乗船する場合は別途有料

ギートホールンへのアクセス

オランダ鉄道「ステーンウェイク駅(Steenwijk)」より路線バス(70系統)に乗車し「Giethoorn, Dominee Hylkemaweg」バス停下車すぐ
※アムステルダム中央駅からは乗り換え2回(バス含む)で所要2時間10分程度

タイトルとURLをコピーしました