ねねの道の概要
ねねの道は京都市東山区にある円山公園から南方へ延び、高台寺公園付近の維新の道分岐点までを結ぶ全長約500mの通り道。元々は高台寺道と言ったが近年電線地中化工事が完了し、路面も御影石で敷き詰められたことで京都らしい風情ある美しい石畳の道のりに整備された。
なお「ねねの道」という名称は、この通りの南東に境内を構える高台寺にて豊臣秀吉の正室・北政所(通称・ねね)が余生を過ごしたことに因んで付けられている。また現在の「ねねの道」は北は八坂神社、南は清水寺という京都有数の観光名所を繋ぐ通り道と化しているため、毎日非常に多くの観光客や人力車が行き交う、世界的観光都市・京都を代表する通りの一つにもなっている。
ねねの道の桜
年間を通して非常に多くの人出で賑わうねねの道であるが、春の桜の季節になるとその賑わいは最高潮に達する。通りの南東角に位置する高台寺公園にて特に多くのソメイヨシノが見られ、満開の時期には普段から賑やかな道のりがより一層華やかな雰囲気に包まれる。
その中でも最も注目されるポイントは、高台寺公園からねねの道を挟んで「石塀小路(いしべこうじ)」という風情ある路地裏を臨んだ景色。春になれば公園の桜が石塀小路の入口付近と絶妙に重なり、行き交う人力車等も合わさってとても情緒ある光景が眼前に広がる。
また同じく高台寺公園付近から南西の方角に目を向けると、京都のランドマークの一つである八坂の塔を遠くに望むことができる。こちらも公園の桜と合わせた景色が素晴らしい。
他、ねねの道を北に進むと、突き当りの奥に大雲寺という寺院が境内を構えている。この境内の一角には祇園閣という望楼のような建物が聳え立っており、これは大倉財閥の創始者である大倉喜八郎が近代日本を代表する建築家・伊藤忠太に設計を依頼して1927年に完成したもの。祇園祭の鉾をモチーフにした斬新な外観をしていることでも知られており、またこの祇園閣の周辺にも桜が咲く様子が見られる。
ねねの道の桜見頃時期
例年3月下旬~4月上旬頃
※その年の気候状況により時期は前後します
桜ピーク時の混雑状況
京都の桜スポットで心配されるのが混雑状況。ねねの道に関しては常日頃から多くの人で賑わう場所であり、加えて桜の見頃時期ともなるとより多くの人で混み合うこととなる。また同じく桜の名所である清水寺や円山公園、知恩院などを観光した人たちが行き交う通り道となっていることも、人の多さに拍車をかける要因となっている。
しかしながら、ねねの道は道幅が広く障害物も特にないことから、周辺でいう清水坂のように観光客でごった返すということはない。強いて言えば人がいない状況で写真を撮りたい場合は、周辺の店舗が営業を始める前の早朝の時間帯に訪れると良いだろう。
ねねの道へのアクセス
①京阪本線「祇園四条駅」下車徒歩約13分
②阪急京都線「京都河原町駅」下車徒歩約14分
③「東山安井」バス停下車徒歩約5分
ねねの道周辺の桜名所
ねねの道が所在する東山地区は京都一の人気観光エリアであると同時に、非常に多くの桜名所が集中する地域でもある。例えばねねの道沿いに位置する高台寺では、方丈前庭である波心庭に立つ大きな紅枝垂れ桜が花を咲かせ、枯山水庭園と桜という京都らしい美しい風景を見ることができる。
また北へ進めば、京都で最も有名な一本桜・祇園枝垂桜が咲き誇る円山公園が広がり、その北側に境内を構える知恩院でも巨大な三門に彩りを添えるように桜が咲く。一方で南へ行けば産寧坂にて八坂の塔と桜のコラボレーションが、そして清水寺(上画像)では広大な境内におよそ1,000本の桜が咲き乱れる壮大な光景が見られる。